RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
stance dot
大阪府豊中市 2020 /May/ 11 updated鮮やかな緑色のグリーンビルの1階にある白い空間。大きな窓に面するカウンターに置かれているのは、おいしそうなスコーンやマフィン。お弁当や焼き菓子のテイクアウトを中心に、ランチやドリンクなどイートインメニューも用意して、街角のカフェ&お昼ごはんどころを担っている『stance dot』。大きな窓から見える心地よさそうな店内の雰囲気に誘われて、移転オープン間もないにも関わらず多くの人が訪れています。
オーナーの田中恵さんは、マクロビオティックを軸にしたお料理やお菓子を学んだ後、4年前に岡町で『stance dot』をオープン。今年(2020)3月、ここ曽根に移転して、自分が思い描いていたお店のスタイルを実現しました。
二等辺三角形の一番大きな辺がほとんどすべて開口部のような間取りで、店内はとても明るく気持ちいい。角地に建つお店の前は歩道がとても広く、そこに大きな街路樹が1本立っていて、風が吹くとお店の中にも美しい木漏れ日が届きます。広さは9坪とこぢんまり、けれど大きな窓とトビラ、そこから見える外に景色が加わって、広々とした雰囲気を感じてゆったりした気持ちになる不思議な空間です。
最初にオープンしたお店は居抜きでスタート、4年の営業を経て空間も含めて本当につくりたかったお店にしたいと考えているときにこの物件と出会いました。DEN PLUS EGGグループである『D+E MARKET』や『FLUFFY AND TENDERLY』に訪れたことのある恵さんは、DEN PLUS EGGの店舗設計に惹かれつつも、お店の規模などもあり相談することを躊躇していました。あるときお客さんとして訪れていた南森町『LONG WALK COFFEE』の内装もDEN PLUS EGGのデザインだと知り、設計スタイルは画一的ではなく、ショップオーナーの個性に合わせて仕様から予算までバリエーションも豊富だということに気づき、思い切って相談することになりました。
恵さんの好みは「シンプル」。だから外壁も店内も壁の色は白一色。けれど柔らかいオフホワイトで、緊張しないくつろぎを感じます。「実はマクロビもシンプルなんです。シンプルであることの気持ち良さを伝えられる空間になればと思いました」と恵さん。さらに経年によって輝きを増すものや手触りのいいものが大好きだという恵さんの好みを反映して、シンプルな空間にそれらの良さをブレンド、クールになりすぎず、土臭くならない居心地のいい空間ができあがりました。
大きなテーブルにはアートブックや小説などいくつかの本が置かれ、CDプレーヤーからは趣味の良い音楽が流れ、空間の気持ち良さを引き立ててくれています。この本のセレクトや音楽のチョイス、そしてお店のホームページ制作などは恵さんのご主人が担当して、影ながら応援してくれているとのこと。
「食に制約のある人もない人も、アレルギーも宗教も関係なく、同じ食を囲める場所をつくりたいと思ったんです。ただただシンプルに、平和が生まれて気持ちよくおいしくて楽しい、それが食でできるならなんてステキなのだろうと考えています」と恵さん。誰もが来られて食を楽しめる場所、それはシンプルで居心地のいい空間、恵さんの思いを乗せたお店は、早くも老若男女さまざまなお客さまに愛されているようです。
stance dot
大阪府豊中市曽根東町1-10-34 曽根グリーンビル1F