RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
Le Bro
東京都多摩区 2024 /Feb/ 05 updated「入口のドアはベルギーで使われていた100年前のアンティークです」。何度も塗りなおされて使い続けられたドアは、ショップのオーナー大鷹弘紀さんのお気にりのファサードです。
元々アンティークが好きな大鷹さんは、グリーン・ディレクターの久美子さんとともにグリーンショップを併設した不動産会社を営んでいます。向ヶ丘遊園は近くに広い緑地のある多摩エリアで、グリーンと不動産を通して地域とのつながりを大切に、このエリアの発展に貢献したいという思いを持ち、その場づくりのためにも近くに飲食店を開きたいと考えていました。
するとタイミングよく同じ建物の一角に、元のショップより広い物件が空いたため、その思いを実現することに決めました。「店構えの構想はかなりしっかりとあって、自分の好きなアンティークの家具やドアなどをたくさんつかって、植物をたくさん並べた空間にしたいと思っていました」を大鷹さん。
アンティークを探す中、インスタグラムを通してDEN PLUS EGGを知り、「アンティークの建具や家具の良さをわかってもらえて、それを扱える職人さんを抱える設計施工会社だと確信しました。そしてこの店の設計施工をお任せしようと思ったんです」。
もともと持っていたお店の具体的なイメージ、気になる店舗の写真、持ち込みのヴィンテージ家具やパーツを準備してDEN PLUS EGGのスタッフと打ち合わせを重ねました。特にこだわったのはファサード。アンティークドアの色に合わせて黒の艶消し塗装で窓枠を造作、まるで初めからそこにあったのではないかと思わせるほど全体のバランスが良く、新しいものと古いものの違和感をまったく感じさせません。奥の小部屋の壁にはアイアン窓をきれいに埋め込まれ、光の通り道にして開放的な空間に仕上げ、さらにトイレの扉には鏡がはめ込んであり空間に奥行きが生まれ、狭さを感じさせない工夫をしています。テーブル席のヴィンテージ・チェアは不ぞろいでヨーロッパのカフェを感じさせ、カウンターは古材で仕上げ、ヴィンテージのスツールを合わせました。
天井から下がる大きなコウモリランなど、たくさんのグリーンが店の中に運び込まれると一気に店内が華やぎ、木漏れ日が射すような風通しのよい空間になりました。
古材を貼ったキッチン奥の壁にはたくさんのお酒のボトルが並び、カウンターの上の木箱にはレモンやみかんが積まれています。柑橘の風味が爽やかな自家製のレモネードやオーガニックの水出しコーヒーや紅茶、そして、ビールやスピリッツのアルコールも充実。「緑があって川があるこの街と、緑地へ来られたお客さまにより喜んでいただけたら」。先々はたくさんのグリーンの中で、野菜をたっぷりつかったサラダを楽しめる、ネイバーフレンドリーなカフェにしていきたいと語る大鷹さん。隣のテーブル席ではバギーでお子さんを連れたお母さんがコーヒーを飲みながら午後のひと時を過ごしていました。
Le Bro
多摩区東生田1-14-5