RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
LEPO COFFEE STAND
東京都世田谷区 2023 /Jan/ 19 updated「“LEPO(レポ)“というのはフィンランド語で“休息“という意味なんです」と語るのは、これまでにいくつものコーヒーショップでバリスタとして活躍していた林恭子さん、これまでのカフェでの経験を活かし、念願のお店を持つことになりました。後押しをしたのは、カフェの立ち上げから運営面まで全面的にサポートしているご主人。柔らかな光が射し込む小さなカフェは、ふたりの力を合わせて生まれました。
林さんがDEN PLUS EGGを知ったきっかけはSNSの事例写真。その雰囲気がとても気に入り、ふたりで千駄ヶ谷のオフィスを訪ねることに。初めての打ち合わせの印象について「オフィス全体の雰囲気がとてもよくて、いろいろなタイルやパーツなどのサンプルも全部ステキで、一気にイメージが膨らんだんです」という恭子さん。担当スタッフとフィーリングが合ったことと、ショールームの雰囲気やスタッフと話をしてみて感覚が近いと感じたことが決め手になったと言います。
その後のヒアリングの際には、これまでカフェで働いた経験やいろいろなお店を回った中で、自分なりにイメージを持って撮りためていた写真などの資料を持って希望を伝えました。後日、提案されたプランの店内イラストパースを見た瞬間「わあ、自分がつくりたかったお店だ!」と興奮を覚えたと言います。それまでぼんやりと想像していた空間が立体的に動き出して見え、イメージが一気に固まったのです。
シンプルな店内の象徴的な存在となるのがコペンハーゲンリブの木製カウンター。デンマークのある放送局のスタジオの壁に似ていたためコペンハーゲンリブと名付けられた様式で、担当スタッフから提案があったとき、林さんはひと目で気に入りました。店名に加えて北欧のテイストが加わり、お店のイメージが固まりました。
小さな店内なので奥行きと解放感を出すため、明るいベージュの壁の色に対し天井の色を少し濃く微妙に変えました。造り付けの吊戸棚やルーバーの扉は、シンプルな店内に温かみのある表情をプラス、カウンター内奥のオリーブ色のタイルはカウンター越しの景色にアクセントを加えました。トイレの壁も一面をラワン材で仕上げ、お店全体に木の温もりがある空間となり、とても落ち着きを感じさせます。完成した店内に初めて入ったとき、「できあがったお店を見て、妻が本当に喜んでいたのがとてもうれしかった」とご主人はにこやかに語ります。
そして恭子さんがカウンターの中で実際にコーヒーを淹れてみると、カウンターの中の三角形の可動域がとても動きやすいことに気づきました。見た目の美しいデザインとアルゴリズムを考えた機能的な設計、小さい空間を広く見せるデザインなどを肌で感じるうち、最初の感動は店舗デザインの本質への感心へと変わっていきました。
メニューはハンドドリップコーヒーに加え、エスプレッソやアメリカーノ、カフェモカやオーツミルクラテなど。カウンターの上の木製のキャビネットにはマフィンやドーナツ、レモンケーキなどスイーツが並びます。店内用のカップ&ソーサーは“北欧の色合わせ”についての本を参考に色の組み合わせを選んだそうです。こうして、DEN PLUS EGGの設計と林夫妻のモノ選びで、お店全体が“北欧“の空気に包まれたLEPO(休息)空間になりました。
LEPO COFFEE STAND
世田谷区用賀4-20-11鈴木ビルB102