RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
ティグテリア
東京都渋谷区 2022 /May/ 10 updated「近所の人たちに、1杯だけふらりと寄って、ちょっとつまんでいってほしいんです」とオーナーのオサキカオルさん。千駄ヶ谷の“街のデリ”『ティグレット』が、元『コンカ』の場所と入れ替わり、朝のパンやコーヒー、お昼の総菜やお弁当のテイクアウト&イートインから、夜にはお酒やおつまみなどバータイムも楽しめる、“街のデリ”の要素を残したままさらに新しいスタイルのお店『ティグテリア』として生まれ変わりました。
「会社勤めの男性にも気兼ねなく足を運んでほしいので、内装はかわいいというよりシンプルにしたい」というのがカオルさんのリクエスト。ファサードは真っ白の壁と2枚の扉。入口のドアは、斜めの桟が入った木製扉、もう一つはブロンズ格子のガラス扉、どちらも古いアンティーク扉で、引き戸として蘇りました。入口のドアを開けると、大理石のカウンターにたくさんのパンと一緒にお弁当や総菜も並んでいて、ランチはもちろんワインのお供にあれこれと選びたくなります。
大理石のカウンターの上に置かれた真鍮&ガラス製のオリジナル・パーテーションは、折りたたみ&可動式。昼間はテイクアウトアイテムをディスプレイするガラスケースの役割を果たし、夜には折りたたんで片付けられるので、カウンターはスッキリした立ち飲みスペースに早変わりします。
レジの後ろのメニュー黒板は、前店で入口の窓として使われていたもの。ガラス部分に板をはめ込んで黒板として再活用されています。ワインセラー横の小さな壁付けカウンターも、前店のカウンターをリサイズしたものです。このように貴重な古材を大切に形を変えて使い続けていくというDEN PLUS EGGの基本的な考え方に、カオルさんも賛同しています。
一方、カウンターのスツールはDEN PLUS EGGオリジナルの新作家具です。ニレの無垢材を使用し、座面が絶妙なカーブを描く職人の手仕事を感じられる作品。窓際の円形テーブルスタンドもオリジナル。木と真鍮で作られ、高さを調整でききるので、立ち飲みや使用するイスの高さに応じてテーブルの高さを変えられる上に、どこにおいても美しいデザインが魅力です。
カウンター席の円筒形の照明はイギリスのヴィンテージ、傘全体が白熱灯の灯色に光るシャープさと温かさを兼ね備えたデザインです。この照明をセレクトしたのはDEN PLUS EGG担当スタッフのひとりTさん、実は以前、このお店の姉妹店『サルーズキッチンマーケット』のシェフを務めていたことのあるカオルさんの信頼も厚いスタッフです。もともと建築を学び、設計事務所でのキャリアを持っていたことからDEN PLUS EGGへ移籍、『ティグテリア』を担当することに。志向やテイストを理解し合える関係のおかげで、すべてがとてもスムーズに運んだそうです。
日が暮れてきたころにバータイムがスタート。黒板メニューは、ピンチョスやタパス、焼売やコロッケに書き換えられ、セラーからは本日のナチュラルワインのグラスが取り出されています。ふらりとやってきたご近所さんは、ワイングラスを片手に黒板メニューを選び始めました。
朝から夜まで暮らしの中でいろいろな使い方ができる、街のカフェテリアならぬ『ティグテリア』、使い方も楽しみ方も自由自在です。
ティグテリア
東京都渋谷区千駄ヶ谷 4-21-5