RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
daylily
兵庫県川西市 2021 /Jan/ 07 updated通りを歩いていると、大きなガラス窓から白木のカウンター、そしてコーヒー豆のグラインダーとエスプレッソマシンが目に留まり、まるで新しいカフェができたのかという印象。「シャンプーの研修の後には、お客さまのためのコーヒーを淹れる研修があるんです」と笑いながら話すヘアサロン『daylily』店長の丸本菜津美さん。彼女は今年10月にオープンしたこのサロンのデザイン・イメージづくりをオーナーから任されました。オーナーの喜納さんは、宝塚『Ameria』、中山寺『BRICK LANE』、芦屋『ESMEE』など5軒のヘアサロンを経営、ヘアサロンでのカットやカラーリングの合間に、本当においしいコーヒーと紅茶を味わっていただき、お客さまに心から満足していただけるお店づくりをされています。
ほかの3店舗と同じくDEN PLUS EGGが設計を担当しましたが、これまでの店舗とイメージを変えたいというのが丸本さんの希望でした。大きなテーマは“カフェやお家のようなくつろいだ雰囲気”をつくること。まず店内に入って目を引くのは、中央にあるウォールナットの一枚板のテーブル。一般的にヘアサロンは壁に向かってカット席を設ける設計が多いのですが、ここではあえてダイニングテーブルの両側にミラーを挟んで向かい合わせに座る設計で、まるでカフェでコーヒーを飲むような気分でカットやカラーリングの時間を過ごすことができます。
テーブルの中央には真鍮の縁のある大きなオリジナルミラーを設えただけのシンプルな設計。「真鍮は経年変化をしてとてもいい味わいが出るので大好きです」と丸本さん。今回は、オリジナルミラーのほか、フックや取っ手、床の継ぎ目などディテールに真鍮を多用して、イエローベージュの壁とともにシンボル的な存在となっています。
メインフロアとシャンプールームの仕切りの壁には2つの大きなアーチ型出入り口を設け、ほどよく開放感がありながらも、視界はさえぎられ、落ち着けるスペースに。客席の椅子には白木の北欧調のものを選び、壁側に2席だけ設けたカット席には円形ミラーとブラックのトム・ディクソンのペンダントライトをアクセントに。全体的にシンプル&モダンでスタイリッシュな印象で、店長の丸本さんが持つ雰囲気をストレートに投影した空間デザインとなりました。
店名の『daylily』は「ワスレグサ」というユリ科の植物から取られました。かつては花が咲くのは1日だけと考えられていたのでこの英名がつけられ、「1日1日を精一杯に咲き輝く」という意味を持つそうです。今日1日が訪れた方にとってよい日になるように、そんな願いが込められたヘアサロンです。
daylily
兵庫県川西市小花2-8-2 カタマチ川西ビル1F