RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
まるで映画のワンシーンに出てくるようなお部屋。
東京都 2018 /Apr/ 30 updated東京・神宮外苑近くにあるマンションの部屋は、さながら南フランスにあるモダン建築の集合住宅の一室のよう。ややダークなフローリングと白い壁、柔らかく光をさえぎるリネンのカーテン、街中の住宅街の冷やりとした空気が心地いい。まるで映画のワンシーンに出てくるような空間です。
「生活感がなく、大人っぽい、けれど冷たくない」というOさんからの全体テーマに合わせ、床は少し濃い色合いの無垢オークのパーケット・オイル仕上げ、壁には白のペンキをチョイスして、自然光が美しく回る空間に。リクエストのあった「モルタルの壁」を一面だけつくり、広いキッチン&リビング&ダイニングのアクセントにしています。古い図書館で使われていたアイアンの棚にはsonihouseの木製スピーカーviewと真空管アンプ、小さな音で音楽が流れ始めるとまるでどこかのお店にいるような気持ちにもなります。
オークに銅の格子がはまった2枚のドアはイギリスのアンティーク、ちょうどいいタイミングで買い付けてきたものでシンプルな空間に素晴らしいスパイスの役目を果たしています。アンティークのドアや窓枠を選んで、サイズに合わせて間取りや空間デザインをすることはDEN PLUS EGGの十八番。同時につくりたい空間に窓枠を作ることも得意です。書斎がほしいというリクエストには、キッチン&リビング&ダイニングの一角を完全に区切らないよう黒の室内窓をつけて仕切り、自然光やキッチンの灯りや香りを感じながらも落ち着いて作業ができるようになっています。
お部屋の大きさに比べてやや狭目のバスルームは、洗面とバスタブを一体化した海外のバスルームのような設計で、アンティークのミラーを飾りに一つ。ここに置かれたキャビネットはOさんがとくに気に入っていた医療用のキャビネット。バスルームのイメージに合わせて白いペンキでDIY。
Oさんがかつて北京に住んでいたときに手に入れたシノワズリのインテリア雑貨がヨーロッパのアンティーク家具と混じり合って、独特のコロニアル感を漂わせています。ウォン・カーウァイが、トラン・アン・ユンが、もしこの部屋で映画を撮ったなら‥。清らかで静謐な佇まいの中の美しい風景を想像してしまう、夢のような空間です。