RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
無垢のフロアと塗装壁、アンティークの室内窓で理想の住まい。
兵庫県神戸市 2023 /Apr/ 08 updated玄関を抜けイギリスのアンティーク室内ドアを開けると、全面の窓から光が降り注ぐ大きなLDKと眺めのいい和室。「ずっと賃貸暮らしだったので、いつか両親と暮らすことを考えて、中古マンションを買ってリノベーションをしようと考え始めました。ウェブであれこれ探していると、DEN PLUS EGGのホームページのある事例に目が釘付けになってしまって」というKさん。その事例の家はヨーロッパアンティークをふんだんに使いながらシノワズリのテイストを組み込んだ映画のような空間でした。李朝のアンティークキャビネットをかれこれ20年以上愛用してきたKさんにとって、共通の好みを強く感じる部屋でした。「東京だったので、実際にそのお家のオープンハウスに行くことはできなかったのですが、自分の住まいづくりの参考にさせてもらいました」と笑う。
「“あれもしたい、これもしたい”と希望を語るうちにかなり予算オーバーになったので、譲れない希望をリストアップしました」とKさん。まず第1希望は無垢のフローリング。これまで賃貸であっても無垢フローリングの部屋を選んできたほど、Kさんにとって大切なのは木を感じられる床です。第2希望は塗装の壁。空間の上質さ、影の美しさを愛でて暮らしたいという長年の希望でした。そして3つ目の希望は、アンティークドアを室内ドアに取り入れること。もともとアジア、ヨーロッパを問わず古物が好きで、いくつものアンティーク家具や食器を集めてきたKさん、アンティークドアを自分の家に使うことは大きな夢でした。それを伝えると担当スタッフはちょうど入荷したばかりのイギリスの木製ドアとペンキの色合いがステキなフランスのドア、2枚のアンティークドアを提案しました。1枚をリビングのドアに、もう1枚をウォーク・イン・クローゼットのドアとして使用し、LDKのインテリアのアクセントとしました。
キッチンはモルタルと白いタイル、そしてステンレスのシンプルなI型カウンター、ハーフオープンの仕切り壁の上部をアイアン窓に。「気に入っているのは、タイルの部分を少し手前に出して、段差を作ることで棚のように使えるようにしたことです」。建築用語で「ふかす」と呼ばれる手法を使って、壁面を前に出し、壁に段差をつくります。「お気に入りのキッチンツールを並べるととてもいい景色になりました。調理台はあえて置かずにスペースを取ってもらって、自分のアンティークのテーブルを活用しています」。室内窓は自然光を通し、昼間はどこにいても明るく快適な空間です。
和室の入り口の扉は、悩んだ結果大きなガラスをはめ込んだ吊り戸にしました。開放すると扉は完全に収納されて、和室とLDKが一つの大きいワンフロアになります。「先日訪ねてきてくれた両親は、和室が一番落ち着くと言っていました」と言いつつ、Kさん自身もときどきコタツに入って、のんびりした時間を過ごすようです。
そして最後の仕上げは、FLUFFY AND TENDERLYのオーダーカーテン。北西向きの物件でありながら明るいのは、広いバルコニーに面する6面の壁がすべて開口部になっていて、すべての開口部に白いリネンカーテンを吊るしたから。目の粗いガーゼリネンは光を乱反射して、室内全体に柔らかい光を届けます。和室の壁のアイアン室内窓、和室のガラス入り扉、キッチンの室内窓などLDK+和室のすべてに光が回るデザインで、冬の夕方でも明るく居心地のいい住まいができました。
「理想の空間です。あとはもう少し馴染ませたい(笑)かな」。住み始めて1カ月、まだこの場所に慣れていないというKさん、これからいろいろ自分好みに染めていきたいと話してくれました。