RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
アンティークドアと窓がステキな切妻屋根の白い家。
栃木県日光市 2023 /Sep/ 05 updatedのどかな田園地帯に建つ切妻屋根の白い家。呼び鈴を押すとアンティークの玄関ドアを開けてくれたのは、満面の笑顔のSさん。ドアを開けると、玄関ホールはさながらカフェかアンティークショップのようにディスプレイされ、いたるところに大きなドライスワッグが飾られています。
「DEN PLUS EGGさんのおかげで夢がかなったんです」と、この家ができるまでのストーリーを教えてくれました。
「中学生のころからアンティークが好きで、益子や那須、日光のアンティーク&ブロカントショップを巡っては少しずつインテリア雑貨や布小物などを集めてきました」とSさん。彼女と同じくアンティークが好きなフローリストのご主人と結婚をして子どもができたころから、アンティークのドアや窓のあるステキな一軒家を建てたいという子どものころからの夢を実現させたいと考え始めました。
そこで自宅近くのいくつかの工務店に趣いて、夢の家を語るものの、どの工務店も「理想ではありますけどね……」「アンティークドアをつけるなんて無理です……」と取り合ってくれませんでした。そんなとき頭をかすめたのが、インスタで6年ほど前から保存し続けてきたアンティークドアの施工例の写真の数々。そのほとんどがDEN PLUS EGGの事例だと知っていたSさんは思い切って電話をかけることにしました。「日光は東京からずいぶんと離れていますし、予算は限られています。その2点が気になって勇気を出せなかったのですが、いざ電話をかけてみるとそれは杞憂に終わりました」とSさん。連絡してまもなく、DEN PLUS EGG代表がスタッフとともに、Sさんがご主人と一緒に経営するフラワーショップ『enn hanatokurashi』を訪ねてきました。
その後DEN PLUS EGG TOKYOのショールームを訪ねたS夫妻。その場にあったアンティークの設計図ケースの上部をくり抜いてシンクをはめ込んだアイランドキッチンを見て、驚きました。「こんなに自由にキッチンをつくることができるんだ! と思いました。同じ手法でキッチンをデザインしてほしいと依頼して、このキッチンができました。土台が木製アンティークキャビネットなので、濡れたらすぐ拭くなど手入れの手間はかかりますが、それが気にならないほどに感慨深いものがあります」。またショールームで見たトイレからヒントを得て、すべてが白い家の中でトイレの壁だけを濃くすることを決めたと言います。「黒い壁のトイレは新鮮でした。とても新しいものを感じて、我が家にも取り入れようということになりました。それまで自分たちの世界観の中になかったもですが、とても気に入っています」。
担当となったYさんは、アンティークに関する専門用語とニュアンス・ワードを使ってアンティークに詳しいSさんとコミュニケーションを取り、さまざまなタイプがあるアンティークのテイストやトーンをスムーズに理解しあって打ち合わせを進めていきました。
「わたしは、オールドパインの風合いやペンキがはげて木の色が出ているようなアンティークやブロカントが好きなんです。お気に入りの写真と一緒にそのことを伝えると、Yさんは「“茶白系”ですね」とすぐに好きなタイプをわかってくれました。そして玄関や勝手口のドア、寝室、子ども部屋の室内ドア、そして2枚が対になったリビングのドア、リビングの窓枠まで、提案していただいたパーツは、どれも好きなものばかり! このドアが付いた家に住めるのかと思うと、それだけでわくわくするほどでした」と当時を振り返るSさん。
「好きなもの、つくりたい家がはっきりしていたので、実現していただいたことは本当にうれしかったですが、さらに驚いたのが、自分たちでは想像できなかったYさんからの提案です。その一つがキッチンのアンティーク室内窓。独立キッチンを持つことがもう一つの夢でした。すると仕切り壁を、単なる壁でなくアンティーク室内窓にする提案をいただきました。アンティークの窓枠そのものも素晴らしい色と風合いであるうえに、キッチンからの光でリビングがより明るくなったり、キッチンからリビングの様子が見えたり、窓を開けて風を通したりと、インテリアデザイン的にも機能的にも優れていてとても気に入っています」と教えてくれました。
キッチンにもリビングにもアンティークがいっぱい。キッチンではアンティークリネンやブロカントのキッチン用具が実際の生活に使われていて、リビングの飾り棚には細々としたアンティークがディスプレイされ、フローリストであるご主人がつくったドライスワッグが飾られています。「学生のころからあちらこちらで買い集めてきたアンティークグッズは、これまでは押し入れの中で眠っていましたが、この家ができてようやく飾ってあげることができました」と本当にうれしそうなSさん、アンティークグッズたちも日の目を見ることができ、どこか誇らしげ。時を経た味わいを持つアンティークがあふれる日常の生活。イギリスやフランスでよく見かける風景が、ここにありました。