RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
ほかにないデザインと経年変化を楽しむ戸建住宅
兵庫県西宮市 2022 /Jun/ 02 updatedところどころ里山や畑の残る西宮郊外に注文住宅を建てたA夫妻、上の子どもが小学校に行く前に、一軒家のお家に住みたいという願いを叶えました。
もともと大阪のマンションに住んでいたA夫妻、子どもが大きくなると4人家族で住むには狭くなるので住み替えが必要だと漠然と感じていたころ、ステイホームの期間が始まりました。ちょうど上のお子さんは幼稚園、いまがタイミングだと大阪や阪神間を中心に新しい家づくりの場所を探し始めました。探し始めて数カ月で静かで便利な新しい宅地と出会います。注文住宅を新築することに決めたとき、DEN PLUS EGGのホームページが目に留まりました。
奥さまはインテリアが大好き。長い間ためていた理想の住まいのスクラップブックのようなたくさんの写真を携えて相談に行くことにしました。そのとき抱えていた悩みが「インテリアの方向性は決まったけれど、その内装に合う外観がわからない」ということ。DEN PLUS EGGの担当者にそのことを伝えると「内装と外観の組み合わせに決まり事はなく、内装に関係なく好きな外観にしていいと思いますよ」との答えが。「そのひと言ですっと気持ちが楽になりました。好きな外観を自由に選んでいいんだ、と」。そして同時にDEN PLUS EGGに依頼することを決心していたと言います。
1伝えると10返ってくる、打てば響く心地よさ。
「希望を1伝えると、10返ってくるという素晴らしいくみとり力で、ちょっとした希望がどんどん素晴らしい空間になっていくのでびっくりしました」というご主人。希望はたくさんあったのだけれど、何かを伝えるたびにそれ以上の提案がくるので、毎回打ち合わせが楽しかったと言います。「普通のハウスメーカーだとCADで書いたようなパースが出てくるんですが、DEN PLUS EGGさんは手描きのイラストでパースを描いてくれたので、余白があってイメージがしやすかったんです」。
長い間、理想の住まいを考えてきたふたりには、叶えたい希望がたくさん。それを一つひとつ全部担当に伝えていきます。まずは、「2階にLDKをつくること」。風と光をたっぷり感じる2階に暮らしのメインになる空間を置いて、できるだけ長い時間を過ごしたいという希望からです。ゆったりと家族4人でテレビを見られるリビングルーム、窓からは木々が緑の借景に。ダイニングから出る広々としたバルコニーは、そよ風の気持ちいい季節にはブランチやアペリティフを楽しめるような心地いい空間。不意にふわっと吹き込む浜風が、リネンのカーテンを膨らませてキッチンからリビングを通り抜けます。そしてキッチンの脇には小さな青い書斎スペースが。いまは子どもたちが宿題やお絵かきをするスペースとして使われています。
2つ目の希望は「2階のLDKの入り口に手洗いをつけること」。前例のあまりないリクエストですが、デザイン的にも機能的にもとても優れたアイデアで、初めて訪問する人は手を洗いながらガラス越しにダイニング・キッチンを眺めて、まるでレストランに入る前にわくわくするような気持ちになります。洗面ボウルはKOHLER社のもの。「この洗面台がとても好きで、どこかに置きたかったんです」と微笑む奥さま。
3番目の希望は「お風呂をユニットバスにしない」。どれも似たようなユニットバスのデザインは好きでないという奥さまの意見から、在来工法で自由にデザインされたバスルームは、オーバルのバスタブとガラス張りのシャワールームを完備した海外のホテルのようです。1階は廊下を挟んでこのバス&パウダールームと子ども部屋、一番奥は居心地のいい主寝室となっています。
そして4つ目の希望は「子ども部屋の床を無垢材にすること」。子どもたちには本物の木の床で育ってほしいという思いから無垢フローリングに。「これが想像以上に良くて、ほかの場所にもっと使ったらよかったと思っています」と笑う奥さま。子ども部屋には入り口が2つあって、それぞれの入り口の前には、7インチレコードが飾られています。一つは星、一つは虹を曲名に持つドーナツ盤。「大きくなったら真ん中を区切って、それぞれの部屋にしようと思っています」とご主人、レコードは子どもたちの部屋の表札です。
ほかにもデザインを軽くしすぎない、モールディングを生かしたい、◯◯風でなく本当に好きなものだけを使うなど、細々とした希望をはじめ、寝室と子ども部屋は自分たちで壁を塗れるように土台となる下地まで仕上げてもらうようにリクエスト。「壁が汚れたときや好きな色が変化したらその都度気軽に塗り直したので、そうできる基礎をつくっていただきました」。家は完成したときが一番ではなく、育てていくものであることをよく知るA夫妻、これからの経年変化、子どもたちの成長による変化、自分たちの好みの変化に軽やかに対応できる家づくりを目指したと言います。
写真は住みはじめて1年経ったころ。階段の手すりの真っ白な塗装が少し剥がれています。「子どもたちが手すりをなでながら階段を降りて、最後に手すりの柱に全体重をかけてくるっと回るんですよね。その場所が剥げてしまって」と笑うAさん。「そうなんです。でもそんな剥げている感じが好きです」と奥さまがにっこり。好きなものに囲まれ、いい風合いに経年変化していく家を楽しんでいる様子です。