RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
木の香りがしてほっとする北欧の家のような住まい。
兵庫県宝塚市 2022 /Sep/ 29 updated北欧の家に住むような暮らしをイメージしていました。
リビングダイニングの正面の窓からはもみの木が見え、天井のすぐ下につくられたハイサイドライト(高窓)からはヨーロッパ風の隣家の屋根が見え、室内の雰囲気も相まってどこか遠くの国で暮らしているような非日常感あふれる一軒家。
奥さまの実家を建て直すことにしたY夫妻は、いくつかのハウジングメーカーからプランをもらったのだけれど、一目で気に入ったのがDEN PLUS EGGのプランでした。「北欧の家に住むという雑誌の特集を見て、ぼんやりと頭の中にあったイメージが具現化されて目の前に提案されたようで、とてもうれしかったです」と話すのは奥さま。
この家はかつて奥さまが所属していた宝塚歌劇団に通うため、当時の家族みんなで神戸から移り住んだという思い出の詰まった場所。結婚して東京で暮らすようになった後も、実家としてたびたび帰省していました。その場所に、現在の家族4人が好きに過ごせるセカンドハウスを新築の注文住宅として建てることにしたのです。
Y夫妻の希望は、平家であることとすでに独立しているふたりの子どもを含めて家族がそろって集える家であるということ。そして「木の温もりと香りがして、落ち着いた感じがする」住まいを一番の目標としていました。
「東京の家はソーラーパネルや蓄電システムなど最新テクノロジーを取り入れた家です。それはそれで気に入っているけれど、セカンドハウスはとにかくほっとできる家にしたかった」と話すご主人。南向きのハイサイドライト(高窓)から降り注ぐ自然光が日中ずっとリビング全体を明るく照らし続ける居心地の良い空間となりました。
設計者とインテリア担当者が連携してプランを提案。
プランは、設計担当者とインテリア担当者の連携でつくりこまれました。設計デザインは、採光や借景を考えた窓を配した、手入れしやすく心地よく過ごせる、過不足のない広さの住みやすい間取り。そこに無垢のオーク・フローリングと白い天井、白い巾木を基調に、ペールブルーブルー、ブルーグレー、ペパーミントグリーンなどをミックスした色のプランが加わり、北欧を感じさせる家の全体像ができました。
「淡いブルーのリビングダイニングとブルーグレーのキッチンキャビネット、薄いピンクのアルチザンタイルが柔らかいトーンで絶妙なバランスで提案されて、素晴らしいと思いました。たくさんある壁紙のサンプルに丸がつけられていて、それを見たとき、確かにこれが一番しっくりくる、と納得したのと同時にプロのお仕事の偉大さを知りました」と思い出して微笑む奥さま。
主寝室の一面にウィリアム・モリスの壁紙を希望。けれど第一希望のパターンはすでに廃盤であったため、インテリア担当者は別の壁紙を提案しました。すると「第一希望の柄はもっと暗い色目のものだったのですが、現在のものにしたので寝室が明るくなって、結果としてよかったと思っています。インテリアの担当さん本当にすごいです」と言う。
キッチンは冷蔵庫の収納を仕切り壁の一部として活用したI型とアイランドを組み合わせたオリジナルキッチン。コンロと冷蔵庫の間の壁面には窓があり、遠く北摂の景色を見渡せるうえに自然光もたっぷり。どうしても長い時間を過ごす場所になるキッチンだから心地良さを最優先させました。ピンクのアルチザンタイルやブルーのキャビネットや木製パネルは、シックでありながらかわいらしさと華やかさを持っていて奥さまのイメージにぴったりとなりました。
リビングの奥はスライドドアで仕切れる空間になっていて、ここは息子家族がそろって宿泊できることを想定してデザインされました。普段は開け放して大きなひと続きのリビングダイニンとなり、正面にもみの木の見える窓があります。窓の反対側に位置するキッチンの奥にいても、ダイニングテーブルにいても、午後になるともみの木越しに学校帰りの子供たちが遊ぶ幸せな風景を垣間見ることができます。
受け継がれる木製ドア。
パーケット貼り無垢オーク・フローリングの玄関ホールには4つの室内ドアがあります。オーク無垢材のドアはリビングへの扉。残りの3つは濃いブルーグレーのドア。正面のドアはトイレの入り口。残る2つのドアは寝室に続く扉で、ほかの室内ドアより背が低い、けれど美しいモールディング。
この2枚のドアは、実は元々実家につけられていた室内ドアです。いい木材でていねいにつくられていたものだったので、新しいお家で第2の人生を歩むことになりました。本当は無垢木のまま使ってもいい味わいだったのですが、ノブを付け替える際にヤケが出てしまうので、ブルーグレーに塗装しました。「両親との思い出の家の一部がここにあることがとてもうれしいです」と奥さまはとてもうれしそう。
夏に入居して、先日久しぶりに寒くなってから訪れたY夫妻、家中がとても明るく暖かくて快適なことに気づいたと言うご主人、「元の実家は寒かったので、その記憶が残っていて。暖かい家はほっとしますね」と笑います。
「いま考えていることは、家の前をどんな植栽にしようかということですね。まずオリーブの木を2本植えたいと思っています。東京の家で育てているナンテンも植えたいし、ハナミズキやトネリコもいいかな。そしていつか地下駐車場の上の部分に2階建てのテラスをつくりたいと空想しています。そこからだと景色が広がっているので、大阪湾や大阪の街を眺めながらビールを飲めるようになれば最高ですね」。