RENOVATION / NEW HOUSE / STORE DESIGN
アンティークが馴染む新築住宅。
東京都国立市 2021 /May/ 27 updatedアンティークが馴染む注文住宅を探して。
昨年までアメリカ・サウスキャロライナにお住まいだったTさん夫妻は、帰国と同時に新築の家を建てる計画をスタートしました。おふたりとも学生時代からアンティークが大好きで、デスクや椅子、コーヒーテーブルなどの家具や雑貨を集めていました。新築であってもアンティークの家具と馴染むデザインをしている設計会社を調べ始めて間もなくDEN PLUS EGGを見つけました。
初めての打ち合わせは、DEN PLUS EGG千駄ヶ谷のオフィスで。1階は『サルーズキッチンマーケット』、2階はfoodremedies長田佳子さんのキッチン、そして3階のショールームへ登っていくと、まず階段の手すりの造作に感動、次にキッチンのマットブラックのタイルに驚き、最後にキッチンの壁に貼られたモスグリーンのアルチザンタイルを見たときには「自分たちが求めていたものがすべてここにあった」と感じたと言います。奥さまはショールームのキッチンのタイル張りの壁と床をそのまま再現してほしいとオーダーしました。
アメリカ時代の暮らしの空間の再現。
帰国したてのTさん夫妻が新しい家に求めるものは、暮らしやすかったアメリカでの“暮らしの空間”の再現です。まずはキッチン。「アメリカではキッチンで立ったままちょっとしたドリンクを楽しんだり、お客さんが入り込んで会話を楽しんだりすることが普通でした。ダイニングテーブルに腰掛けなくても楽しめるキッチンの空間をつくりたかったので、ゆるやかに独立したキッチンを設計してもらいました」という奥さま。ときどき料理をするご主人とふたりでキッチンに立っても窮屈さはなく、お客さんが来られたときもドリンクや料理の準備しながらキッチンで立ち話をするのにちょうどいいサイズです。
次にぐるりと回遊できる2階のリビングスペース。建物の中心に位置する階段を、南向きのリビングルーム、西向きのダイニングルームとキッチン、北向きのトイレ、ご主人の書斎、東側にある3階への階段脇の通路がぐるりと取り囲み、行き来がとてもスムーズです。
そして広さを感じるデザイン。アメリカ暮らしでゆったりとした空間での生活に慣れていたTさん夫妻は、東京でもできる限り広さを感じる空間で暮らしたいと考えていました。階段からリビングに入る入り口には扉をつけましたが、大きなリビングルーム、そこからつながるダイニングルーム、廊下、キッチンの間には扉をつけず、ゆるやかなつながりのある一つの大きな空間として感じられるようになっています。
「改めてアメリカ時代の写真を見ると、ダイニングからキッチンの眺めやソファの向こうに見えるサイドボードなど空間がとても似ていて驚きました。懐かしさを感じる空間をよりステキに再現していただいたという感じでしょうか」と微笑む奥さま。
3階はもうすぐ生まれるお子さんとお姉さんになるいとちゃんの子供部屋。こちらも仕切りは一切なしの大きな一室で、ベランダからの光が全体に届くとても明るい部屋です。一番奥のピンクの壁は、いとちゃんも一緒に塗りました。
育てていく家。
もう一つの希望はアンティークのドアやパーツを使うこと。玄関にはアンティークの木製ドア。とてもシンプルな箱型の外観に、アンティークの扉が付いているだけで、できたての新築住宅であるにも関わらず周囲の町並みとの親和性が生まれ、さりげない個性も感じさせます。
1階の寝室やバスルームの扉もすべてアンティーク扉。一枚一枚違う表情をもつ扉を、すべてとても気に入っていて、アンティーク扉を生かすために設えられたアナログな真鍮の金具も気に入っていて「まだピカピカですけど、使い込むうちにいい味出してくれると思うんです」ととても愛おしそうに語ってくれます。
リビングルームにはダブルのDEN PLUS EGGカーテンレールが。撮影日には1枚のリネンカーテンがかかっているのみ。「一枚だけ先にかけて、2枚目はどんな色にしようか迷っています。やっぱり白がいいのかな。サイドボードの横に立てかけているポスターはダイニングルームにかけようか迷っているところです。いま住み始めてようやく2週間で、できたての空間の素晴らしさに毎日感動するばかりですが、これからも少しずつアンティークを買い足したり、照明を変えたり、植物を置いたり、少しずつこの家を育てていきたいと思っているところです」とTさん。
アンティークの良さを知っているTさんは、できたてが一番キレイな新築住宅は望んでおらず、住んでいるうちに自分たちが長年使ってきたものと馴染み、やがてそれ自身も魅力あるアンティークになる家づくりを望んでいました。この場所で大きくなるいとちゃん姉妹もやがて、家とともにものを大切にする心を育んでいくのかもしれません。
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